「タイムスリップ・コンビナート」の舞台

「タイムスリップ・コンビナート」の舞台は、ほんとうにあるんです。自宅からそう遠くないところにあるので、お盆休みを利用して訪問してみました。

海芝浦と同じく主人公の目的地になっていた、沖縄会館。文中をよく読むと書かれているように、正式には「沖縄会館」という名前ではないみたい。スナックの看板も小説通り!

作業着屋さん。看板のうたい文句がそっくりそのまま描写されている。小説が書かれてから10年以上経っているのに、見つけられるなんて感動。

「入船公園」ってプレートだけ撮ったってどうしようもないよな……。ここで主人公は等身大のG.I.ジョーの人形を見つけるのですが、それは発見できませんでした。そもそも一世を風靡したというG.I.ジョーを私は知りませんでした。「G.I.ジョーとは」とか現地で携帯でググっていました。

そして鉄道ファンの皆様にもおなじみ海芝浦!

海芝浦……短いホームの片側に緑の鉄柵だけ、下は海、柵の下の海にベージュの汚い海が浮かんでいる。中性洗剤とシャンプーの瓶が浮いて漂っている。

とあるように(洗剤やシャンプーの瓶はなかったものの)あまりきれいな海ではありません。
でも晴れた日には電車の扉が開いた瞬間、深いブルーが目に飛び込んで、かなり興奮!

その他にも、浅野駅、安善駅、武蔵白石駅、鶴見消防署入船消防出張所、釣り船店富士丸、カモメ公害注意の看板などを確認したけれど、細かすぎるうえ特に絵的に面白くないので割愛。
文庫本を片手に歩いてみて、文中の、現実に存在している地名や固有名詞の多さに改めて驚きました。
きっとそれは相当意図的なものだと思うものの、鶴見線界隈を歩いてみても、この小説の秘密はわからずじまいでありました。