谷川史子「積極――愛のうた――」

積極―愛のうた― (クイーンズコミックス)

積極―愛のうた― (クイーンズコミックス)

佳いものだとかえって言うことがない……
谷川史子さんの短編三本入りです。
もうこの人の絵を見ているだけである種の幸福感がある。
表題作は「花いちもんめ」のような文芸の薫りがした。
日本文学科にいたような人には特におすすめ。


しかし、偶然だろうけど、三編すべてにチラっと
20歳を越えた主人公たちの「10代」への言及があるのがなんだか切なかった。
彼女たちが思い出す10代のことと、
「10代のころ谷川史子の、10代が主人公の漫画を読んでいたわたし」
が重なる。


ところでこれって「少女漫画」?
私はそのつもりでいたけど、
「少女漫画」という言葉には無理があるよなあ……とあらためて思った。
いろんなものを囲いすぎ。
でも「女性漫画」とか「女子漫画」とかいう変な言葉はいらない。
(いま私が適当に考えたものだが)